2021年7月11日、英国ヴァージン・グループを率いるリチャード・ブランソン氏ら6名が世界初の商業宇宙旅行に成功、競い合うように7月20日、米国アマゾン・ドット・コム創業者ジェフ・ベゾス氏ら4名が宇宙船「ブルーオリジン」に乗船、無事に帰還した。チケットを購入した乗客を乗せた民間人だけでの商業宇宙旅行は世界初。今回の宇宙旅行で乗客は高度100キロ以上の空間で数分間の無重力を体験したり、あるいは丸い水平線や漆黒の宇宙、輝く太陽を眺めたりすることを楽しんだとのニュースである。
今回の宇宙空間体験旅行(無重力約3分間から4分間)の旅行代金は約20万ドルから25万ドル、日本円で2100万円から2700万円、既に数百件の申し込みが有ると言う。また米国スペースX社が提供を予定している国際宇宙ステーション滞在旅行になると約5500万ドル、日本円で60億円の料金設定である。
遡ること2005年10月に、JTB社が宇宙旅行を発表したことを受けて米国AIGとJTBの合弁会社であるジェイアイ傷害火災保険とロイズ・ジャパンは日本初の「宇宙旅行保険」を開発している。海外旅行保険は、その旅先として宇宙を想定していない。旅行行程における環境も大きく異なることから旅行保険分野のエキスパートであるジェイアイ傷害火災保険が発案し、特殊かつ高度なリスクの引き受けを得意とするロイズ・ジャパン協力の元に商品開発に成功した。宇宙におけるリスクの想定は極めて困難なため、補償内容は宇宙旅行行程中の事故による傷害死亡に限定している。補償額は旅行者の年齢、職業、収入等を総合的に勘案し決定され、保険料は旅行の種類(月旅行・宇宙軌道旅行・体験弾道飛行)により個別に算出される。あくまでも概算ではあるが高度100キロ以上の大気圏に出る宇宙体験旅行で2億円の補償額の場合、保険料は1000万円から2000万円を想定しているとの事。
現在では旅行代金2000万円、保険料1000万円を越える宇宙旅行ではあるが商業ベースに乗り誰でも宇宙旅行が体験できる時代になるのも意外と近未来なのかもかもしれない。
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