ことばの由来「むすび」

普段、なにげなく使っている言葉の中にも実は特別な意味を持っている言葉があります。古事記の中にある「産巣日」と表記される「むすび」は高天原(たかまのはら)に誕生した高御産巣日神(たかねむすびのかみ)と神産巣日神(かみむすびのかみ)の名に在り、万物を生成する霊なる神という語意があります。10世紀に編纂された「古今和歌集」第七「賀歌」巻頭「読人知らず」の短歌を初出としている日本国、国歌の「苔のむすまで」は固い絆と信頼で結びついていこうとの意であり、また「縁結び」のように何かを生み出す場合にも使われます。神社で引いたおみくじを木や紐に「結ぶ」行為も神様や仏様との縁が結ばれて、願いが叶う効力を生み出す行為とのこと。

two rice bowls

今ではお母さんが握ってくれることが珍しくなり、セブンイレブンで買うことが常識になってしまった「おにぎり」。「ご飯を握る」という動作が起源と考えられているのが「おにぎり」。一方、高天原に生まれた神様の名前が起源とされるのが「おむすび」。おにぎりの形に決まりはありませんが、おむすびは三角形。諸説あるようですが、古来、日本人は山を神格化しており、形を山形にすることで神霊の力を授かろうとしたとの説があります。

お正月はまだ少し先ですが、おみくじを引いて木や紐に結ぶ時には願いを込めて、セブンイレブンで「おむすび」を買う時にはどうぞ厳粛な気持ちでご購入されますように。草草、山根

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